暴落は忘れた頃にやってくる―東京総合研究所

公式・投資顧問東京総合研究所~暴落は忘れたころにやってくる~

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【企業分析シリーズ】vol.6 吉野家ホールディングス(9861)④:公式・東京総合研究所スタッフブログ第223号

こんにちは、東京総合研究所スタッフです。

 

吉野家が業績を向上させる施策はどのようなものがあるでしょうか。

 

営業利益を増加させるには

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著者作成

 

前回の記事の最後では、営業利益率を低下させている原因である販管費の多くを占めるのは人件費であり、またそれは削減することが難しいということでした。

すなわち、営業利益を増加させる要素である「売上増加」と「コスト削減」のうち、コスト削減は実現可能性が低いということになります。

では、売上増加についてブレイクダウンして考えてみましょう。

 

売上=店舗売上×店舗数

1店舗あたりの売上を店舗数でかけた数字が売上となります。

 

まず店舗数について見ていきましょう。

 

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有報を元に著者作成

店舗数は横ばいになっていることが分かります。

これ以上店舗数を大幅に増やしていくことは難しいでしょう。

 

続いては店舗売上です。

売上=単価×客数

 

店舗売上を増加させるには、単価を上昇させるか客数を増やすしかありません。

 

まず客数について考えてみましょう。

牛丼大手チェーンは、吉野家以外にゼンショーが運営する「すき家」と、松屋フーズが運営する「松屋」があります。

牛丼は完全にコモディティ化されているため、3ブランドは圧倒的な集客力に繋がる優位性を築けていない、また今後築くことは難しいと考えられるため、客数増加は難しいでしょう。

もちろん、値下げやキャンペーンなどで一時的な客数増は見込めるかもしれませんが、長期的な効果は期待できないでしょう。

 

では単価はどうでしょうか。

先ほども述べましたが、牛丼はコモディティ化されているため、値上げは非常に難しいと考えられます。

そのため、何か付加価値をつけて単価上昇を狙うことが必要でしょう。

 

例えば、2018年3月に開始された「牛丼超特盛」はその一例です。

牛丼並盛りが352円に対して、超特盛は723円と、約2倍になっています。

このような単価を上昇させる施策は、効果が見込めるのではないでしょうか。

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また、少し高級志向な商品を提供するというのも面白いかもしれません。

松屋では、2014年7月より、「プレミアム牛めし」が発売されました。

こちらは、290円の通常の牛丼より90円高い380円で販売されました。

ご存知の方は多いかもしれませんが、普通の牛丼とプレミアム牛めしの併売はしておらず、関東地方ではプレミアム牛めしが導入されている店舗が多いです。

すなわち、それらの店舗では牛丼を実質約30%値上げしたということになります。

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この松屋の例と同じような施策を打つことによって、吉野家でも単価を上昇させ、営業利益増加に繋げることができるかもしれません。

 

営業利益増加のための施策の例を挙げましたがいかがでしたでしょうか。

 

最後に、企業価値の話と吉野家ホールディングスの企業価値向上の可能性について見ていきたいと思います。

 

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