皆さん、こんにちは！！
東京総合研究所スタッフチームです！
本日は空気が透き通った気持ちのいい天気ですね！
お日柄もよく、寒さも和らぎます。
さて、今回は
「行動ファイナンス理論」
についてお話しします！
行動ファイナンス理論とは、
経済学に心理学を取り入れた行動経済学の中でも、
特に金融市場における人間の動きを分析しているものです。
この理論は、1979年に
ダニエル・カーネマンらに提唱されたことで脚光を浴びました。
理論の根本にあるのは、
「人間は論理ではなく、欲や恐怖といった非合理的な感情によって動いている」
というものです。
この主張は、それまで中心的であった
効率的市場仮説
という、人間の合理性を説いた理論と真っ向から対立することになりました。
以下には行動ファイナンス理論の実例をご紹介します。
(1)プロスペクト理論
「投資家心理は利益よりも損益の方により敏感にはたらく」
という内容です。
この理論に関する有名な実験があります。
Q1：もし、以下のどちらかが選べるなら、あなたはどちらを選びますか？
① あなたは100%の確率で100万円を受け取れます。
② あなたがコインを投げて、表なら200万円を受け取れます。しかし、裏なら1円ももらえません。
Q2：もし、あなたが今200万円の借金を抱えているとしたら、以下のどちらを選びますか？
① あなたの借金を、無条件で100万円減らします。したがって、残りの借金は100万円になります。
② あなたがコインを投げて、表なら借金を全額チャラにします。しかし、裏なら借金は200万円のままです。
あなたはそれぞれどちらを選びましたか？
一般的に、Q1では確実にお金がもらえる①を選ぶ人が多いです。
しかし、Q2では借金を帳消しにできる②を選ぶ人が格段に増えるのです。
面白いのは、どちらの問いの①②も、お金を獲得できる確率とその金額は同じですから、本質的には同じであるということです。
しかし人間は、自分の借金という損益に対してより敏感な反応をするのです。
これはいわば一種の賭けであり、合理的な判断とはいえないですよね。
これがプロスペクト理論です。
(2)気質効果(disposition effect)
自分の持っている株が、値上がりするとすぐに売りたがり、値下がりするとなかなか売ろうとしなくなる、という投資家心理のことです。
「早く売らないと値下がりしてしまうかもしれない」
または
「もう少し待てばまた値上がりするかもしれない」
といった焦り・後悔への恐れと期待・プライドに基づくものです。
これと逆の現象が、
「スーパーが大セールをおこなっているときに、人は買いだめをしたくなる」
ということですね。
思い当たる方も多いかと思います。
これも根拠のある合理的な判断ではなく、感情的な判断であるといえますね。
以上のような行動ファイナンス理論を押さえておくことで、
衝動的な判断をしてしまいそうなときに
踏みとどまることができるかもしれません。
投資は基本的には短期的な勝負を想定したものではないため、長期的な視野を持つ必要があります。
行動ファイナンス理論を理解し、その反対の理性的な判断を意識できると良いですね。
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